
決勝の日本vsアメリカは、24歳vs23歳のエース対決となった。
日本が世界に誇る超剛速球の上野由岐子と、左腕から繰り出す超変化球のオスターマンと。
タイプの違う二人が国際舞台にデビューしたのは、同じ2001年だった。USカップでオスターマンがアメリカチームの優勝に貢献すれば、上野はその直後に行われたカナダカップで、日本の優勝に貢献した。
あれから5年。二人はチームの「エース」として、世界選手権のピッチャーズサークルに立っていた。
二人は、共に開幕戦を投げ、3戦目に先発し、6戦目の予選グループの1位決定戦を投げ、北京オリンピック出場のかかった決勝ラウンドの1戦目を完投した。
日米のエースの起用が分かれたのは、その次の一戦だった。
決勝進出がかかった、日本vsアメリカ戦で、アメリカはオースターマンを休ませ、上野は投げた。
結果、エース勝負に出た日本が勝ち、翌日は上野が1試合、オスターマンが3位決定戦でオーストラリアに投げ、続いて決勝で日本に投げて2試合連続のピッチングとなったので、二人の登板した試合数はいっしょになった。中一日おいての2連投か、中一日をおかずの連投か。
決勝では5回までは互いに得点を許さなかったが、6回、アメリカの打撃のリーダー、メンドーザが上野の球をライトへライナーで叩き込んだ。2ランホームラン。はりつめていた何かが切れたような瞬間だった。
試合後の会見で、メンドーザは上野の配球をほぼ読んでいたと明言した。4番ブストスは「連続アーチを描けたのは、メンドーザが配球を教えてくれたから。余裕を持って振り切ることができました」とコメント。7月のUSカップと、ガラリと配球を変えた世界選手権初戦のアメリカ戦ではアメリカのバッターはまんまとしてやられたが、同じ投手から2日続けて三振を取られることはなかった。上野は7月の配球と前日の配球で、決勝で投げる球を読みきられてしまったのである。(写真はブストスのホームラン)
日本相手にオスターマンを1度しか投げさせなかったアメリカは、決勝で1安打完封。
記者会見ではカンドレア監督に「オスターマンを1度目の対決で温存したのか」と質問がなされたが、「温存ではない。フィンチを先発させても日本には勝てると思ったから」と言い切った。特筆すべきは、その監督の言葉に続くブストスの発言だった。
「代表として選ばれてここにやってきている選手は、みんな試合に出たいんです。試合に出るためにやってきているんだから。だから昨日の日本戦はフィンチやサザンが出た。フィンチで勝てると思ったから監督は先発させたし、本人たちは出たい、投げたいという気持ちが強かった。アメリカはみんなで戦っているチームなんです」
ブストス自身、シドニーオリンピックのころはなかなかいい場面で試合に出してもらえないという経験があった。今のアメリカチームでは、チャンスは全員に与えられる。産休明け4か月目のフィンチは球のキレが全盛期ほどなかったが、どんな国を相手に登板するときも、全力で投げ込んでいた。
4日の日本戦でフィンチは投げ、打たれ、味方の逆転がないままピッチャズーサークルをあとにした。
日本の好守備に阻まれて、得点に貢献できなかったブストスと、打たれたことを申し訳なく思うフィンチと。ここで負けたことが、さらにアメリカ選手たちに喝を入れた。
5日の日本戦で、上野から最初にヒットを打ったのはフィンチだった。そして上野から得点したのは、前日まったく上野から打てなかったメンドーザと、ブストスのMB砲であった。
「アメリカにはスピードに加えて、パワーがある。それが強みだ」とカンドレア監督。
以上の会見のコメントの中に、日本とアメリカの差異が明確に現れた。
日本はなぜ決勝ではアメリカに勝てなかったのか。1度は勝っているのである。
アメリカの世界選手権の連勝記録は破ることに成功した。
あと1歩まで王者を追い詰めながら、あと1歩届かなかった。
その課題をそれぞれが自覚し、あと2年で克服していくしかない。
とはいえ、各国が力をつけていく中で、日本はオーストラリア、中国に辛勝し、「世界2位」の座を獲得した。それは選手たちにとって確かな自信になったはず。
同じこのスタジアムで2年後に笑えばいい。

これはかなり「あれ?」と思ったのですが、6回表に2死からブストスのヒットでロウが帰って1点が入り、2死2塁で当たっている5番のヌーベマンが打席に入ったときに、ブストスに代走を送らなかったことです。4年前の世界選手権では、2塁ランナーとして足も速く、キャッチャーにタックルできるミッシェル・スミス(アメリカの有名な左腕のエース級投手)を代走に送ったカンドレア監督が、足の遅いブストスがになぜベンチの控えにいる俊足のガリンドゥーやアマンダフリードを代走に送らなかったのか。ガリンドゥーは代打で出したかったというのもあると思いますが、それであればユーティリティのアマンダがいました。
結果的にヌーベマンはセンター前に打ち、山田の好返球がバックホームへ!そこで足の遅いブストスが完全にアウトのタイミングでキャッチャーに体当たりもせずホームへスライディングしたもののアウト(写真)。もし足が普通に速い選手であれば、クロスプレーになってセーフだったかもしれません。そうすれば1点差で、当たっている6番のデュラン選手に打順が回りました。
何か意図があったのかもしれませんが、結果的にカンドレア監督が「アメリカは少ないチャンスをモノにできなかったが、日本はできた。その違いが敗因」とインタビューに答えていましたが、今日のオーストラリア戦、そして勝てば日本戦で、アメリカがどんな勝負をするのか。
オーストラリア戦では全力で初回得点にかけてくるでしょう。オスターマンを決勝用に最初は温存して状況次第でリリーフさせるのか、それとも連投覚悟でいかせるのか。温存で他のピッチャーに投げさせることで、チームの一体感をつくって決勝へ向かうのか。
上野の球威に押された感のあった昨日を反省して、コンパクトなスイングやたたきつける打球、当ててころがしてといろんなことをしかけてくるでしょう。
6連覇がかかっているアメリカの必死さがどんなものか。しっかりと見せてもらいたいと思います。
会見の席上でカンドレア監督があれほど穏やかに、笑みさえ浮かべながら敗北を認めるコメントを見たのは、ソフトボールを長く取材してきて、初めてのことでした。
世界選手権を20年間勝ち続けてきているアメリカは、この大会に6連覇をかけています。しかし、アメリカにとって最大の目標は、オリンピックの4連覇にあります。アメリカという国で、オリンピックからこの競技が除外されたあとも、この競技の人気を下げないためには、オリンピックに採用されたアトランタから北京まではをパーフェクトで制覇し、金字塔を打ち立てておかなければ、国内でのポジションが危ういのです。
カンドレア監督は、今回、あえてベテランのリサ・フェルナンデス投手を代表から外しました。リサはアテルネオリンピックですべてオーストラリア戦を投げきったアメリカの3個の金メダルのエースであり、打ってはアテネオリンピックで打率世界一位に輝いたアメリカの不動の5番打者でもあります。
リサは今年の年明けに出産しました。代表に戻るための計画出産です。ブランクをカンジさせない復帰でだれもが代表入りを信じていたのですが、今年6月のセレクションキャンプでリサは落とされてしまいました。
選ばれたピッチャーの、3番手以下と比較しても、まったく遜色がないリサをなぜあえて落としたのか。そしてカンドレア監督はチームをどういう方向に持っていこうとしているのか。日本人的な戦略と情緒を持つカンドレア監督は「長い目」「あえて」「日本に強い選手」「短距離選手のようなスタートへのこだわり」という4つのポイントを持っています。
昨日の会見では「1回のチャンスに得点できなかったことが、大きかった」とまず切り出しました。アメリカは1回に得点したときの勝率と、できなかったときの勝率、勝ち方が大きく変わるという特徴があります。
ロウかワトリーが出て、クリーンアップで1点。
昨日もその流れでしたが、ブストスの2塁打になりそうなレフトへの強いあたりを守備は代表の中では完璧ではないと言われている馬渕が好捕。馬渕は「打球が近くで急に伸びたので驚きました」とあとで言っていましたが、むずかしいあたりを好捕したことで、試合の流れが日本に傾いたように思いました。
アメリカは日本に強いフラワーズという選手を今まで出していなかったのに7番で起用。
スタミナに問題があるオスターマンは中一日、どうしても休ませざるをえなかったのでしょうが、同時にここまでチームを地味な場面で投げて精一杯支えてきた、2番手のフィンチ投手、サザン投手の今後へのモチベーションと経験を考えて、登板させた部分もあるかもしれません。
もちろん、今のリサ抜きの新しいチームで優勝して自信はつけさせたい。しかし、2年後を見据えて、決勝の前の試合で「あえて」選手に貴重な経験を積ませる。目先のことと、もっと先にあることと。その2つをカンドレア監督は考えているように感じました。
そんなカンドレア采配で1つの誤算と思えることが。
なお、この記事はひとつの仮定として、創造して書いている部分も多いのでご了承ください。今までのアメリカの采配から鑑みて考察しています。
つづく

■オーストラリア 2-11 アメリカ(6回コールド)
アメリカは中1日でエースのオスターマンが先発。オーストラリアはケリーハーディ。2回裏にアメリカは4番ブストスのセンターオーバー2塁打、続くキャッチャーのヌーベマンが2ランホームランで先制。しかし、3回表、1番モローがレフト前、サンドラアレンがレフトオーバーで1点。ポーターがセンター前で1点。オーストラリアが同点に!
しかし、盛り上がったのはここまで。
その後は、山田恵里選手と「世界最強の3番」を争う、アメリカのメンドーザ選手が2ラン。デュランはソロホームラン。そして最後は6回裏にまたメンドーザ選手が2ランを放って、コールドにしてしまいました。
どうもオーストラリアは今回はターニャ・ハーディング投手の調子が今ひとつで、今日はリリーフしたときに4失点してしまいました。
オスターマン投手(写真下)は、ちょっと疲れているのか、球にキレはありませんでしたが、カンドレア監督がアメリカのエースとして育てようという意識があって、上野投手と同じタイミングの試合に全部投げています。この試合では6安打で2失点でしたが、完投しました。

■日本1-0中国(8回タイブレーカー)

三科選手と狩野選手
■カナダ3-2台湾
→カナダはローリー・ダニエルが完投。カナダは3番シーナローウィック、メラニー・マシューズらのタイムリーとエラーなどで3点をとり、台湾が2点を返して追いついてきたが、逃げ切った。
■ベネズエラ1-2イタリア

予選最終日は、決勝トーナメントをかけて、必死の戦いが繰り広げられました。
Aグループはまず予選2位決定戦。「カナダと中国」はこの夏のカナダカップ、USカップでは互角の戦いをしていましたが、さすが中国はホーム!実力伯仲のチーム同士らしく1-0の僅差で、地元中国が勝ちました。これで日本は4年前と同じく、オリンピック出場権をかけて、決勝トーナメント進出の1回戦は中国と戦うことになりました。
さて、Bグループはほぼ順位が確定していたのですが、順位には関係のないところで、波乱が!
オーストラリアがオランダに2-4で負けているではありませんか!日本が10-0で勝った相手に、打たれ負けるなんて…
ワードやクロンクが試合中にケガをしたり、大砲のティッカムが不調、ハーディング投手も調子が上がらないという…昨日の日本戦で、オーストラリアは何かがちょっとが切れてしまったのでしょうか。
■グループA
◎北朝鮮 0-4 ニュージーランド
◎イタリア 3-0 イギリス
→イタリアは、イギリスに勝ってギリギリ4位に。
◎中国 1-0 カナダ
◎アメリカ 10-0 南アフリカ
アメリカ 7勝0敗 51得点 失点1
中国 6勝1敗 34得点 失点3
カナダ 5勝2敗 29得点 失点6
イタリア 3勝4敗 12得点 失点13
ニュージーランド 3勝4敗 8得点 失点32
イギリス 3勝3敗 8得点 失点26
北朝鮮 1勝6敗 3得点 失点17
南アフリカ 0勝7敗 2得点 失点49
■グループB
◎日本 7-0 コロンビア
◎ボツワナ 0-15 ベネズエラ
◎台湾 8-6 ギリシャ
◎オランダ 4-2 オーストラリア
日本 7勝0敗 48得点 失点4
オーストラリア 5勝2敗 42得点 失点7
ベネズエラ 5勝2敗 39得点 失点25
台湾 4勝3敗 35得点 失点21
ギリシャ 3勝4敗 30得点 失点19
オランダ 3勝4敗 28得点 失点34
ボツワナ 1勝6敗 7得点 失点70
コロンビア 0勝7敗 0得点 失点49
■グループA
◎カナダ 12-0 南アフリカ
◎イギリス 2-1 ニュージーランド
◎イタリア 1-0 北朝鮮
◎中国 0-2 アメリカ
→オスターマン2安打完封。アメリカの2点は1回に、ロウが出て、相手のリーチーのワイルドピッチの間に1点。リーチーからルーウェイに代わったときに、アメリカのデュランがタイムリーで1点。中国もリーが3安打、ルーが1安打とかなりおさえたが、アメリカが効率よく得点して勝利。
【今日の対戦】*現地時間
10:00 北朝鮮vsニュージーランド
12:30 イタリアvsイギリス
15:00 中国vsカナダ----------この試合の勝者と明日、日本は対戦
15:30 アメリカvs南アフリカ
■グループB
◎コロンビア 0-7 オランダ (没収試合)
◎ボツワナ 0-11 台湾
◎オーストラリア 1-2 日本
◎ベネズエラ 3-1 ギリシャ
【今日の対戦】
◎日本 7-0 コロンビア(没収試合)
◎13:00 ボツワナvsベネズエラ
◎19:00 台湾vsギリシャ
◎19:30 オランダvsオーストラリア
Aグループではアメリカと中国が全勝対決。Bグループでは日本とオーストラリアが全勝対決。今日は両グループとも予選のクライマックスです!
■グループA
◎アメリカ 15-0 ニュージーランド(4回コールド)
→モニカ・アボット投手が3安打完封。ヌーベマンが2ランを2本などで、相手のミスもあり、圧倒。
◎中国 12-0 南アフリカ
◎イタリア 0-1 カナダ
→ローリー・ダニエルが6安打完封。7回裏、メラニー・マシューズがヒットで出て、2番セリング・ジェニファーの3塁打でさよなら勝ち
◎イギリス 1-0 北朝鮮
中国 5勝0敗 33得点 失点1
アメリカ 5勝0敗 39得点 失点1
カナダ 4勝1敗 17得点 失点5 (アメリカに1敗)
イギリス 2勝3敗 6得点 失点22
ニュージーランド 2勝3敗 3得点 失点30
北朝鮮 1勝4敗 3得点 失点12
イタリア 1勝4敗 8得点 失点13
南アフリカ 0勝5敗 2得点 失点27
【今日の対戦】
◎カナダvs南アフリカ
◎イギリスvsニュージーランド
◎イタリアvs北朝鮮
◎アメリカvs中国
■グループB
◎日本 16-0 ボツワナ(4回コールド)
◎オランダ 0-5 ギリシャ
◎ベネズエラ 0-9 オーストラリア(5回コールド)
→ローチは3回、ケリー・ハーディは1回、ターニャが1回と、翌日の日本戦をにらんでのウオーミングアップか?!3人のリレーで、ベネズエラの猛打線を1安打に抑える。カナダカップでは、ベネズエラに苦戦していたオーストラリアでしたが、さすが本番はきっちり勝ちにきます。
→サンドラアレン、モズレーがソロホームラン。4番マリッサが満塁ホームランなどで9点。
◎台湾 7-0 コロンビア(不戦勝)
オーストラリア 5勝0敗 39得点 失点1
日本 5勝0敗 39得点 失点3
ベネズエラ 3勝2敗 21得点 失点24
ギリシャ 3勝2敗 23得点 失点8
台湾 2勝3敗 16得点 失点15
オランダ 1勝4敗 17得点 失点32
ボツワナ 1勝4敗 7得点 失点44
コロンビア 0勝5敗 0得点 失点35
【今日の対戦】
◎コロンビア 0-7 オランダ(没収試合)
◎ボツワナvs台湾
◎オーストラリアvs日本
◎ギリシャvsベネズエラ
■グループA
◎中国 6-0 ニュージーランド
◎アメリカ 7-0 イギリス(5回コールド)
→3回裏トッピングの2塁打、フラワーズのヒット、バーグがエラーを誘って2点。メンドーザの3ラン。この回5点。4回裏ワトリー、ロウがヒット、メンドーザ四球で満塁。ブストスのタイムリーで2点。合計7点でコールド勝ち。
→ジェイミー・サザン、完封
◎南アフリカ 2-6 イタリア
◎カナダ 2-0 北朝鮮
中国 4勝0敗 21得点 失点1
アメリカ 4勝0敗 24得点 失点1
カナダ 3勝1敗 16得点 失点5 (アメリカに1敗)
ニュージーランド 2勝2敗 3得点 失点15
北朝鮮 1勝3敗 3得点 失点11
イタリア 1勝3敗 8得点 失点12
イギリス 1勝3敗 5得点 失点22
南アフリカ 0勝4敗 2得点 失点15
*9/1にアメリカvs中国
■グループB
◎日本 10-0 オランダ (5回コールド)
◎オーストラリア 9-0ボツワナ
→マリッサのソロホームラン、ダニエラ、ワードのタイムリー、相手のエラーなどで9点。
◎ギリシャ 7-0 コロンビア(没収試合)
◎台湾 2-3 ベネズエラ
オーストラリア 4勝0敗 30得点 失点1
日本 4勝0敗 23得点 失点3
ベネズエラ 3勝1敗 21得点 失点15
ギリシャ 2勝2敗 18得点 失点8
台湾 1勝3敗 9得点 失点15
オランダ 1勝3敗 17得点 失点27
ボツワナ 1勝3敗 7得点 失点28
コロンビア 0勝4敗 0得点 失点28
*8/31にベネズエラvsオーストラリア
■グループA
◎中国 2-0 北朝鮮
→呉の2ランホームランで勝利。
◎イギリス 4-0 南アフリカ
◎カナダ 0-4 アメリカ
→メンドーザのタイムリー2塁打、ソロホームラン。ローラ・バーグのタイムリー2本で4得点。
→オスターマンが完封
◎ニュージーランド 1-0 イタリア
■グループB
◎日本 3-2 ギリシャ
◎ボツワナ 0-11 オランダ
◎ベネズエラ 0-7 コロンビア (没収試合)*コロンビアが棄権
◎オーストラリア 9-0 台湾
2006年8月30日10時現在の公式サイトの記載より
■グループA
◎アメリカ 7-0 北朝鮮 (5回コールド)
→フィンチ完投
◎カナダ 5-1 イギリス
◎南アフリカ 2-0 ニュージーランド
◎中国 3-1 イタリア
■グループB
◎ギリシャ 8-0 ボツワナ (5回コールド)
◎オーストラリア 7-0 コロンビア
→コロンビアの棄権による、没収試合
◎日本 7-1 ベネズエラ
◎台湾 7-0 オランダ
以上は、大会公式サイトより。06年8月29日9時現在の記載。
台湾vsオランダがコールドかどうかは、この時点で記載ナシ
■グループA
◎中国 10-0 イギリス(5回コールド)*イギリスはノーヒット
→中国は、先発ルー・ウェイから、左腕のリー・チーへのリレーで0安打完封。
→LI CHUNXIAの3塁打をはじめ、4点、1点、5点と3回までに10点をあげ、5回コールド。
◎南アフリカ 0-3 北朝鮮
◎ニュージーランド 0-9 カナダ
◎アメリカ 6-1 イタリア
→アメリカはエースのオスターマンが、イタリアはエースのレスリーが先発。長身投手対決。
→アメリカはもっとも得意なカタチで先制。トップのロウが四球で出て、2番ワトリーが送り、3番メンドーザのタイムリーで1点を先制。「世界最強の3番は、山田恵里か、メンドーザか」もこの大会の大きな見所のひとつ。
→アメリカは押し出しの四球で1点、ファーストに入っているフィンチのタイムリーでもう1点。さらに4回には、メンドーザ、ブストスのタイムリーで2点。イタリアのミスが多く、アメリカを楽に勝たせてしまった。
→イタリアの1点は、6回に出たランナーが盗塁し、ショートワトリーのエラーの間にホームインしての1点。ゆえにオスターマンの自責点にはなっていない。
■グループB
◎台湾 0-3 日本
◎ボツワナ 7-0 コロンビア(没収試合) *スコアはルールで、7-0になる。
→コロンビアが飛行機の遅れで試合に間にあわず、没収試合に。ボツアナの不戦勝。
◎オーストラリア 5-1 ギリシャ
→オーストラリアの先発はエース、ターニャ・ハーディング。3回まで投げて、ケリー・ハーディにリレー。
→先制点はオーストラリア。3番のポーターのタイムリーで1点。しかし2回表、ギリシャは4番のギニーの2塁打と、7番ジョアンナのタイムリーで1点を返す。
→2回裏はワードの3塁打などで2点を加える。さらに6回裏にワードの2塁打など下位打線で2点追加。
◎ベネズエラ 10-6オランダ
→遅刻してきたベネズエラが、到着早々試合に駆けつけて間に合った。そんな状況でも2ケタ安打での勝利。
今回、日テレの解説者として中国入りされている、宇津木妙子さんからコメントをいただきました。
■宇津木妙子さん
「開幕戦と言うのはどうしてもかたくなるもの。打線はもう少し打てるはずとも思たけれど、最初から、何もかもうまくいってしまうより、いくつか課題も見つけながら、チームも試合を終えるごとに成長していけばいいと思います。最初からあまり圧勝してしまうと、どこかで油断が生じるかもしれないですし。もちろん、全力を尽くしての結果で、反省はしっかりとして、次の試合にはどうしようとか、一人ひとりがやるべきことをやりつづけることが大切です。
上野は気合も入っていたし、いい意味で途中はうまく力も抜いて投げられていた。リズムもよかったと思います。幸もよく打ちましたね。ずっとがんばってきた選手だから、私も見ていてとてもうれしかったですよ。チャンスできちんと送ることができなかった選手には、しっかりやれよと。
明日のベネズエラは波に乗せてしまうと怖い打線なので、注意が必要。長い大会なので、健康管理もそれぞれが意識してうまくやってほしい。
今回は初めて解説者として試合を見させてもらうことになりました。不慣れなので、なんだか落ち着かないところもありますが、日本チームを見守りながら、応援したいと思っています」
苦労人の乾、伊藤のバッティングが、開幕戦で輝いた!
日傘を差した観客が外野席を埋めていた。8月の中国の日差しは、日本以上にきびしかった。ピッチャーズサークルに上がった上野由岐子は、想像していた以上に暑さを感じていた。そういえば、2年前のアテネオリンピックの開幕戦も暑かった…。
「今日はあのときのような試合は絶対にしない」。上野は立ち上がり、チームを乗せるために、自分に気合を入れるために、思いをこめた速球を投げ、打者をあえて三者三振にとってみせた。
2戦目の先発も予告されている上野は、できるだけ力を使いすぎずに開幕戦を投げ抜こうと思っていた。世界選手権は10日間という長丁場の大会。飛ばしすぎると、心身のスタミナがもたないことは経験済みだ。だが、初回だけはきっちりと三人で終えることにこだわった。
上野の気魄はチャイニーズタイペイの気勢をそぐことに成功した。そして見方の打線に火をつけた。日本は上野が3回表も三者三振でリズムよく攻撃を断った後の3回裏、1死から先制点をあげたのだ。
きっかけは9番乾のレフト前ヒットからだった。正直言って、乾は上野の球を受ける役に徹することで精一杯で、打率は国内のリーグでは高いほうではない。アテネオリンピックは控えの捕手として選出されたが、出番のないままブルペンキャッチャーで球を受けてオリンピックを終えた。マスクをかぶって、スタメンで世界大会に出場するのは、今回が初めてといっていい。その大会の開幕戦で、先制点につながるヒットを打ったのが乾であったことを、心から喜んだ人はたくさんいただろう。
3回裏1死から乾が出ると、打順が1番に帰り、西山が初打席に続けて今度は左中間にヒット。内藤は内角を打たされピッチャーゴロに倒れ、乾は3塁アウトとなったが、2死から、「女イチロー」山田恵里が、きれいにセンター前へと運んで、西山が先制のホームを踏んだ。打つべき人がしっかりと日本の大会の1打点目をあげた。
1点もらえば今日の上野なら大丈夫。そんな空気の中、上野は内野ゴロと三振で、チャイニーズタイペイから、アウトのカウントを積み上げていく。
台湾は、エースの頼、左腕の林、ベテラン漢とリレーして、何とか日本打線を1点に抑えて、反撃を狙おうとしたが、6回裏にダメ押しの得点を日本が加える。
その回トップの4番田中の代打で出場した狩野が、センターオーバーの2塁打。追加点の絶好のチャンスを迎えたが、続く2選手はいずれも進塁打が打てず凡退して2死。ここで打席に入ったのは、7番キャプテン伊藤幸子だった。
4年前の世界選手権に出場した後は、若い選手の台頭により代表候補から落選。それでも伊藤は「代表選手として世界で戦いたい」という気持ちを燃やし続け、「代表になりたい」と公言し続けた。自ら「出たい」「選んでほしい」と思いを明らかにする選手と言うのは、意外に多くはない。内心は選ばれたくても、選ばれなかったときのことを考えると、「別に」という顔をしてしまうことも少なくないからだ。
伊藤は言う。「アテネの前に、選手としてはピークを過ぎてしまったかなという思いは正直ありました。でももう一度、世界で戦ってみたかった。アテネ後に(日本リーグで実績をあげたことで)また選んでいただいて、新たな気持ちで練習に取り組んだら、まだまだ自分は成長できると感じた。こうしてまた、日本のユニフォームでプレーできることをしあわせに思って、全力でがんばりたい」。
その伊藤が6回裏2死2塁で、国内でも今年は打っていなかったホームランをセンターにライナーでたたきこんだ。カウント2-1と追い込まれてからの、アウトコース高めのストレート。決してやさしい球ではなかったが、思い切り叩いた。打球は失速せずに伸びて、低い弾道でセンターの柵を越えた。値千金のダメ押し2ラン。あきらめないで、がんばり続けてきた30歳のベテランプレイヤーが、開幕という大事な試合でひと際輝いた。
オリンピックの出場権獲得と金メダル。大きな目標の前には、選手個々の、自分の夢や思いがある。この試合にそれぞれが賭けているものがあるのだ。
7回表。3点をもらった上野は余裕の表情で、クリーンナップをサードゴロ、三振、三振でしとめて試合終了。リーディングヒッターが先制点をとり、キャプテンがダメ押し点を加え、エースが2安打完封。打線のつながりの悪さは課題として残ったが、初戦としてはしっかりと戦うことはできた。
長丁場の大会で、開幕戦をいいカタチで勝てたことは大きい。
日本代表は、北京への道の第一歩を踏み出した。