2009年01月04日

太陽と風と土と

明けましておめでとうございます。

年頭にあたり、
改めて世界と日本が直面する課題を展望すると、
今後2~3年は、景気回復すなわち雇用の問題
今後20~30年は、地球温暖化すなわちCO2排出抑制の問題
が頭に浮びます。
この短期、中長期の課題に対して、日本はどう向き合っていくのか?
今回はこのテーマについて考えてみたいと思います。

雇用の問題については、非正規社員だけが犠牲になるのではなく、
会社も内部留保や配当を減らして社員のために身を削り、
社員は社員で、既存の仕事を正規、非正規社員みんなでシェアして
負担を分かち合う手法を探るのもひとつの考え方でしょう。

雇用についてもうひとつは、新たな働く場をつくりだすことです。
会社が自力でできなければ、国や自治体が積極的に支援すべきです。
ただし、それは確実に未来への投資につながるものでなければなりません。

ここで、CO2の問題を考えましょう。
今年も将来のCO2排出ルールのあり方が国際会議の場で話し合われますが、
このルールに違反した国は今後多額のペナルティを払うことになります。
したがって、このルールをどう決めるか、が日本の国益を大きく左右します。
ただいずれにせよ間違いなく言えることは、とにかく日本もCO2を
精一杯減らさなくてはいけないということです。

CO2を減らすにはいろいろなやり方がありますが、ひとつは省エネ。
省エネ住宅、省エネビル、省エネ工場、・・・
省エネのための改修工事には多くの労働者が必要になります。
日本全体の省エネ化に向けて、政府はもっと強くアクセルを踏むべきです。

さらに、太陽光発電、風力発電の普及促進が考えられます。
これら自然エネルギーの普及はまだ限られていますが、
ドイツや北欧など欧米諸国の力の入れようには目を見張るものがあります。
日本も負けてはいられません。人やお金の集中投入が必要です。
自然エネルギーの供給が増えれば、CO2が減るとともに、
石油依存度すなわち中東依存度が低下し、
日本の安全保障上もメリットがあるでしょう。

また太陽光発電や風力発電はそれぞれの地域で発電できます。
電力の送電コストは莫大ですから、小規模分散型の自然エネルギーは、
地元で生産したものは地元で消費する「地産地消」の電力モデルとなりえます。
わが町にソーラーパネルや風車を大量に設置すれば、
それこそ地場産業の育成や地域の雇用増につながります。

ところで、CO2の排出量については、最近「フードマイル」という言葉を聞きます。
食料の輸送距離を意味し、生産地から消費地までの距離が長いほど
輸送の際に排出されるCO2の量は増えます。
食の「地産地消」を実行すれば、フードマイルのCO2は大幅に減るでしょう。
地方における農業の担い手不足はかなり深刻です。
食の安全面からも農業の「地産地消」が提唱されている今、
農業の担い手として若い労働力が流入すれば、
雇用、環境、食の安全などの観点から好ましい効果が期待できます。

実は、昨年12月1日のコラムにおいて、私は新たな雇用創出分野として、
太陽光・風力などの自然エネルギーや農業の分野を指摘しましたが、
これらの分野は環境面だけでなく
地域の自立性を高めるという面においても、
また食料やエネルギーの安全保障の面においても、
さらに、その技術力やノウハウを中国など新興国に輸出できる面においても、
その支援の必要性を否定する意見は少ないでしょう。

太陽と風と土と・・・短期の雇用問題と中長期のCO2問題、この連立方程式を
同時に解くためのひとつのキーワードではないでしょうか。


投稿者:村尾信尚