髙橋大輔 SPOTLIGHT

2017年10月13日

サカナクション

幕張メッセで開催された
サカナクションの10周年記念ライブ。


ZTimage001.jpg
2日間で4万8000人を動員した。

2007年にメジャーデビューをしたサカナクションは


ZTimage003.jpg
ボーカルギターの山口一郎さんを中心とした
男女5人組のロックバンド。


ZTimage005.png
去年、映画「バクマン」で担当した音楽で
日本アカデミー賞を受賞した。

アート・ファッションなど
異なるジャンルとも積極的にコラボレーションし、
常に、新しい音楽表現に挑戦し続けている。

今回開催されたライブでは、
ある"特殊なシステム"が用いられていた。


ZTimage007.jpg
一体どんなシステムなのか...

ライブ当日

■サカナクション 山口一郎
「おはようございます」

前日、深夜遅くまでライブの準備をしていたため
近くのホテルから歩いて会場入りした山口さん。


ZTimage009.jpg
ライブ開演7時間前、
"特殊なシステム"の入念なチェックが続いていた。
髙橋もライブ会場へ。

■髙橋
「会場が非常に広いです。
今、リハーサルが行われています」

広い会場でライブをする際、問題となるのが
前方と後方での音のズレ。


ZTimage011.jpg
しかし、今回のライブでは会場のどの場所で見ても
同じような音楽体験ができるという。


ZTimage013.jpg
そこで、音を聴き比べてみた。

■髙橋
「ここは会場の真ん中です。
非常に臨場感のあるいい音で聞こえます」

会場中央から会場後方へ移動すると・・・

■髙橋
「(会場の)真ん中とほとんど変わりは
ないんじゃないかなと思います」

なぜ同じような音を聴くことができるのか?
山口さんが特別にステージを案内してくれた。


ZTimage015.jpg
■サカナクション 山口一郎
「スピーカーは普通だったら
ステージ横にしかないんですけど、
今回サイドと後ろと真ん中と
6か所のスピーカーとここに置いてある低音の.1
6.1でやっています」


ZTimage017.jpg
サカナクションが採用しているのは
合計242本のスピーカーを使用した
6.1チャンネルサラウンドシステム。


ZTimage019.jpg
通常のライブでは、ステージのサイドにある
スピーカーから音を出すことが多い。


ZTimage021.jpg
しかし、今回のライブでは、
会場の周りを取り囲むようにスピーカーを配置。
ステージ上で出した音を
6つと0.1のチャンネルから同時に出すため
立体的な音響を体感することができる。

■サカナクション 山口一郎
「普通後ろって席でいうとハズレ席じゃないですか。
でも僕らは後ろの席でも同じ体感で
音を聴いてもらいたいなと思っている」

音を調整している
メインエンジニアの佐々木さんに
ライブの苦労を聞いた。


ZTimage023.jpg
■PAエンジニア 佐々木幸生さん
「普通はやらないですよね。
会場が大きいと音の時間差の問題があるので
今回の幕張メッセとか大きい会場では
現実的ではない所をやっている」

現実的ではないライブとは一体?

ライブ会場に
初めてスピーカーから音が出た瞬間・・・
どよめきが。

演奏が始まると
臨場感あふれるサウンドに
会場全体が巨大なダンスフロア
と化した。


ZTimage025.jpg
さらに、サカナクションのライブで
注目されるのが照明・映像などの視覚的な演出。


ZTimage027.jpg
スクリーンに映し出されているこの映像。
どうやって制作されているのかというと...

ステージの裏では
音楽に合わせてある作業が行われていた。
それは、色をつけた油と水で描く
「オイルアート」といわれるもの。


ZTimage029.jpg
毎回、音楽に合わせて
生で制作しているため、
同じものは二度とみることができない。

ライブ本番の演出を見た髙橋は

■髙橋
「偶発的に出来たものが「魚」に見えたり
自分のイマジネーションで色々な見え方ができて
それとこの曲とがマッチして素晴らしい」


ZTimage031.jpg
■髙橋
「今回そのスピーカーの数もそうで
すし、正直採算っていうのは」

■サカナクション 山口一郎
「多分ね普通のアリーナクラスの
3倍~4倍近くかかっていますよ、
予算は。赤字ですね」

■髙橋
「赤字ですか」

■サカナクション 山口一郎
「僕らね、解散じゃなくてね、
破産っていう・・・(笑)可能性はある。」

実は、山口さん
ライブの中でもこんな発言を

■サカナクション 山口一郎
「後ろのみんなも楽しめた?
フェスと全然ちがうでしょ?
某フェスの予算の3倍くらい
かけているのでスピーカーに」

■髙橋
「なぜ、こういったライブを
しようと思ったのですか」

■サカナクション 山口一郎
「どんなものも"体験の時代"になっている
気がするんですね。音楽業界ってなかなかその
音楽体験っていう部分で新しいことが
できていなかったんですよ。
他のコンサートに行って『なんか音が足りないな』とか
みんなが思ってくれると"サラウンド"で
ライブをやる人たちも増えてくるだろうし。
そうすると、ミュージシャンとして
表現する幅が広がるので、
ある種音楽シーンに貢献という部分も
出てくるんじゃないかな?と自分では思っています」

2017年9月27日

横浜を彩る"最先端"アート

写真

20万人以上が集まるアートフェスティバル「ヨコハマトリエンナーレ」。横浜を彩る最先端アートを取材しました。

2017年8月18日

ブルーインパルス×髙橋 のしかかる重力"失神"も

写真

航空自衛隊のアクロバットチーム「ブルーインパルス」。見る人をひきつける急上昇や急回転 実際に乗って体験しました。

2017年6月 8日

コブクロ MVで新たな挑戦

■髙橋
「ミュージックビデオの撮影の現場というのが
始めてなので、非常に楽しみです」

コブクロの2人がミュージックビデオで
新たな試みに挑もうとしていた。

■髙橋
「今回のミュージックビデオのポイントは何ですか?」

■コブクロ 小渕健太郎
「チームラボさんのBlack Wavesという
 作品があるんですけれども、
 それとNAOTOさんのダンスというのが大きなテーマ」

今回、撮影に加わるのが、
これまで数々のアート作品を手がけてきた
デジタルアート集団「チームラボ」

さらに、EXILE
そして三代目J Soul Brothers 
from EXILE TRIBEの
パフォーマーとして活躍するNAOTOさん。
その両者とコラボし、最新曲「心」の撮影に挑む。

実は、他ジャンルとのコラボこそが、
コブクロにとっての挑戦だった。

これまでの「コブクロ」といえば、
2人で歌い上げる形のミュージックビデオが多かった。

しかし今回、曲のタイトルでもある
「心」をNAOTOさんがダンスで表現する。
その撮影方法について意見が交わされた。

■EXILE NAOTO
 ワンカットで撮るっていうのはすごく強く見える。

■コブクロ 小渕健太郎
 それは、すごくいいと思う。

■コブクロ 黒田俊介
 面白いと思う。

一瞬一瞬、絶えず変化する
「心情」をリアルに表現するため
カメラを止めず4分40秒間
ワンカットで撮影することに決まった。

その舞台となるのが・・・

■髙橋
 すごいですね。円形になっているんですね。

■コブクロ 小渕健太郎
 そうですね。


SL17060801.jpg
円形セットの頭上に設置された8台のプロジェクター
そこから、チームラボが手がける映像作品
「Black Waves」が照射され、360度
波に囲まれた舞台が完成した。


SL17060802.jpg
■コブクロ 黒田俊介
 一発撮りなんでミスしないように

入念な動きの確認が行われた。

■髙橋
 どうですか動いてみて?

■コブクロ 小渕健太郎
 (過去のMVでは)動きを決めたことがないので
 難しいですね。

動きの確認は、2時間にもおよんだ。
それを見ていた髙橋キャスターは・・・


SL17060803.jpg
■髙橋
 手汗がすごい。
 (撮影と)全然関係ないのに緊張してきました。

そして・・・

■EXILE NAOTO
 おはようございます。

■髙橋
 NAOTOさん
 いらっしゃいました。

NAOTOさんを交えての最終調整。
関係者以外、完全シャットアウトで行われた。

しかし、今回は特別にその様子を
上から見学することが許された。
すると、ワンカット撮影ならではの
意外な苦労が見えてきた。

■髙橋
 けっこう動かれますね。

中心で踊る、NAOTOさんを撮影している間、
コブクロの2人 小渕さん・黒田さんは
映らないように終始カメラの後ろを移動していた。
普段、やったことのない動きにコブクロの2人は・・・

■コブクロ 小渕健太郎
 NAOTOさんが踊ってる裏では攻防戦ですよ。

■コブクロ 黒田俊介
 小渕がすごく押してくるんですよ。

少しでもミスをすれば撮り直し。
本番が近づくにつれ高まっていく緊張感。
そして・・・

■現場スタッフ
 いきます本番。ヨーイ・・・
 音お願いします。

NAOTOさんのダンスで静かに始まった撮影。

しかし、そのカメラの裏では、
移動を繰り返すコブクロと撮影スタッフ。
撮影は、順調に進んだ。

■現場スタッフ
 カット!

ミスなく、演技を終えた3人。
ところが・・・

■現場スタッフ
 画面に入っちゃってますね。

それは、後半4分手前のシーン。
本来、NAOTOさんが走り出したあとに
コブクロの2人の姿が画面に見えてくる予定だった。
しかし、走り出す直前。
カメラの向きがわずかにずれて
黒田さんが予定より早く画面に映り込んでしまった。

コブクロの2人とNAOTOさんはもちろん。
撮影しているカメラマン4人の息が合って
初めて成立するのがワンカット撮影。

■現場スタッフ
 じゃあ、本番いきます。


SL17060804.jpg
2回目の撮影が行われた。
今度も、順調に進むパフォーマンス。
そして、さきほどのシーンでは...

コブクロ・NAOTOさん・カメラマンの4人とも
完璧な動きを見せた。


SL17060805.jpg
■現場スタッフ
 カット!オッケー!

■コブクロ 黒田俊介
 異ジャンルのものが化学反応を起こす瞬間って
 19年やっていても始めて味わう体感がすごくあった。

■コブクロ 小渕健太郎
 心のうねり・「Black Waves」の海の波・
 カットを割らない表現が
 結果的に一つになったミュージックビデオとして
 最高だなと思ってます。

■髙橋
 個人的に思ったのが、僕もこの曲で滑りたいなと。

■コブクロ 小渕健太郎
 それはまた新しい。


SL17060806.jpg

2017年5月11日

作家・辻村深月さん

sp0530sp001.jpg

この日伺ったのは、都内にある辻村さんの自宅です。

特別に執筆部屋を見せて頂きました。

■辻村さん
「こちらが仕事をしているところなんですけど」

■髙橋
「結構物が少ないですね」

■辻村さん
「物があると片付けたくなっちゃうんですよね」

2012年小説「鍵のない夢を見る」で
第147回直木賞を受賞した辻村さん。

吉川英治文学新人賞を受賞した「ツナグ」は
松坂桃李さん主演で映画化されました。

これまで実に7作品がドラマ・映画など映像化され、
さらに3つの作品が漫画化されているのです。

執筆中にはこんなこだわりがありました。

■髙橋
「普段書かれているとき音楽は聞いたりするんですか?」

■辻村さん
「私はコーヒーを飲むことと、自分の好きな音楽
かけている方が割とのって書けるので」

辻村さんが集中するためにかける曲はというと...
筋肉少女帯の「カーネーション・リインカネーション」

■髙橋
「本当にこれを!はは、笑ってはだめなんですけれども、
この激しい感じの曲で書けるっていうのは
全く想像できないですね」

sp0530sp002.jpg

■辻村さん
「『筋肉少女帯』とか『特撮』っていう
大槻ケンジさんのヘビメタがすごく好きで、ずっと
聴いてきたから今になると環境音楽と一緒なんです」

独特な執筆スタイルはこれだけではありませんでした。

本棚を見てみるとお気に入りの漫画や
文章を書く際に参考にする本などの中に、
たくさんのファイルがありました。

■辻村さん
「作品別に残した資料をファイルに
それぞれしているんですけど」

こちらは、「ツナグ」を執筆した時に集めた資料です。

sp0530sp003.jpg

■辻村さん
「主人公をどういう子にしようかなって思ったときに、
中々決まらなかったところに、ある時
コム デ ギャルソンですごくかっこいいコートを見て
このコートが似合う高校生にしようって思ったら
そこから話が急に動き始めたんですよね」

■髙橋
「文章の中に細かくコートの描写も出てきますよね」

実は、映画化が決まった際、主人公を演じた
松坂桃李さんが着ていたのも
辻村さんがイメージしたコートでした。

数々のこだわりの中から生まれる辻村作品。
最新作「かがみの孤城」では、"いじめ"をテーマに
500ページを超える大作に挑戦しました。

sp0530sp004.jpg

本の内容は主人公「こころ」は学校での居場所をなくし、
家に閉じこもっている中学生。
自分と同じような境遇の中学生6人と出会います。
なぜ彼らは出会ったのか...
その謎を解いていく青春ミステリーです。

一番最初に書いたという
貴重な「初校」を見せて頂きました。

sp0530sp005.jpg

■髙橋
「結構修正されてますね」

随所に変更した形跡がみられる原稿。一体なぜかというと?

■辻村さん
「今回の話の場合は
ミステリーの仕掛けの部分があるので、
その秘密に向けて整合性を合わせるので
修正したんですけど」

例えば、小説の中で強調されている
「セリフ」については

■辻村さん
「トリックというかいろんなものを明かすときに
キメの一言みたいなのが真ん中にある方がいいのか、
端にある方がいいのか、それともページをめくったときに
その言葉があった方がいいのか、
そうやってバランスを見ていったりとかしたので」

編集者との打ち合わせを取材すると
更なるこだわりがありました。

この日は、印刷所にまわす前の最終チェックの日。

sp0530sp006.jpg

しかし、かばんから取り出した原稿には沢山の
付箋がつけられていました。

■辻村さん
「"からだ"がどっちがいいんだろうと思って、
『身体』って大人の小説によく出てくる漢字だから」

■辻村さん
「例えば、"蹲る(うずくまる)"とか
字で見るとすごいインパクトなんですよ。
本当に大変なことがおきちゃったんだという感じを
出したいので今回は漢字にしています」

なぜ、いま"中学生のいじめ"を
テーマに作品を書いたのでしょうか?

■辻村さん
「一番自分が窮屈さを感じていた時代って
いつだろうと考えると、
やっぱり中学生だったのかなと思ったんですよね。
いじめとか不登校っていう言葉で
書いたことがなかったので、
そこに正面から切り込んでみようという風に思って」

辻村さんは中学時代、数人ずつの班をつくった時に、
自分だけが余ってしまうこともあり、
精神的に苦しい時代だったといいます。

実は、髙橋も「学校生活」に
窮屈さを感じていた一人でした。

sp0530sp007.jpg

■辻村さん
「中学時代どんな感じだったのかってお聞きしてみたい」

■髙橋
「僕は学校嫌いなタイプだったので、団体生活が苦手で」

■辻村さん
「へー!」

■髙橋
「結構一番教室で強い生徒を見つけて、
嫌われないように過ごしてました」

■辻村さん
「当時ってその教室の中が、全ての生活の場所で、
他のところの関係性がないから
苦しくなっちゃったりする子も
きっと多いんだろうなと思うんですよね」

■髙橋
「確かに学校だけだとそうだと思うのですが、
僕はスケートがあったので"逃げ場"っていうのが
ありましたけどね」

辻村さんにとっての"逃げ場"は
"本"や"漫画"の世界だったといいます。

夢中になれる「何か」をみつけた辻村さん。

「かがみの孤城」では最後に
こんなメッセージを残していました。

『大丈夫。大丈夫だから、大人になって。』

ページの先頭へ ▲