板谷由夏 LIFE

2009年06月04日

LIFE~エコ農業~

琵琶湖の北西部にある、滋賀県高島市。

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ここに、新たな米作りにチャレンジしている若者たちがいます。

一見農業とは無縁のような彼らは地元の若者たち。
農薬や化学肥料を使わない、米作りをしています。

ちょうどこの日は、アフロヘアー梅村さんの田植えの日。
早速、こだわりの「米作り」を、見せてもらいました。

梅村:
「無農薬でお米を作ってますので農薬や化学肥料を使う場合でしたら、
 除草剤をまいて雑草を抑えるんですけど、それができないので、
 代わりに、まくものがあるんですね。」

農薬がわりになっているのがこれ。

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除草剤代わりは、米ぬか。
精米するときにでる、お米の粉末です。

今から、この米ぬかをまきながら、田植えをしていきます。

すると。

責任重大!うまれて初めて、
田植え機に乗りました。

ちゃんと後ろから「米ぬか」も一緒にまいています。

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米ぬかが発酵する時、雑草の芽を枯らしてくれるんだそうです。

梅村家が、無農薬にこだわった米作りをはじめたのは、11年前。
しばらくすると、”ある変化”を感じるようになったといいます。

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絶滅のおそれがあるというナゴヤダルマガエルです。
ここには、普通の田んぼではなかなか見られなくなった
数多くの生き物が住んでいるというのです。

どんな生き物がいるのか、田んぼの中を、覗いてみました。

ドジョウの子どもを発見!

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そして

カメもいます。

そして、こんな大きな、体長80センチのナマズまで
見つかったこともありました。

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こうした生き物を狙って、
空からはサギや、ムクドリがやってきます。

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この田んぼ、名付けて「たかしま生きもの田んぼ」といいます。

無農薬で農業を続けてきた結果、
「たくさんの生き物が暮らせるくらい安心な田んぼ」になりました。

それを、梅村さんたちは、消費者にアピールすることで、
高島のお米を、全国の人に知ってもらおうと考えたのです。

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生き物たちが集まった結果、農業自体にもメリットがありました。
「ミミズ」は土を耕してくれたり、
「カエル」は害虫を食べたり、鳥の糞が肥料になるなど、
生き物たちが、農薬や化学肥料の代わりとなる役目もしてくれています。

さらに、生き物をもっともっと呼び寄せるため、こんな工夫をしました。
一見滑り台のようなこちら。

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亀やカエルが、低い水路からスロープをつたって田んぼへ戻れるよう、導いたんです。

もともと自然豊かな高島市には、たくさんの生き物がいました。
環境に優しい米作りをすることで、鳥や虫、魚たちが戻ってきて、
生態系が守られることになったといいます。

実は、田んぼの生き物以外にも、よい影響が出始めています。

今、田んぼのすぐそばの琵琶湖では、汚染が問題になっています。

工場や生活排水の他に、
「農業排水」もその原因の一つです。

こうした中で、
梅村さんたちのように農薬を使わない取り組みが増えています。
滋賀県全体でも、条例を作って農薬削減を推進しました。
この結果、農薬を半分に減らした田んぼは、200倍以上にも急増。

こうして、農業排水が改善されれば、琵琶湖の水質も徐々に
良くなっていくと見られています。

田んぼづくりは、琵琶湖の水質にも関わっているのです。

しかし、無農薬での米作りには、まだ課題もあります。

無農薬だと、雑草が生えやすく、天候に左右されやすくなります。

そのため、普通の田んぼだと「500㌔」のお米がとれるところ、
生きもの田んぼだと「350㌔」ほどしかとれません。

さらに、収穫量が少ない分、価格は高めです。

通常5㌔2500円前後で買えますが、
「生きもの田んぼ米」は5㌔3750円。

しかも、販売ルートは自分たちで探さなくてはなりません。

しかし、生き物が暮らせるほど「環境に優しい」米ならば、
値段が高くても買ってくれる人はいるはず。

今、この地域では、
梅村さんをはじめとする13軒の農家が集まって「生き物田んぼ」を作っています。

この活動、高島市も予算を付けてバックアップしてきました。

そんな、生き物と一緒の、こだわりの米作り。

私は田植えの後、去年出来たこだわりのお米を頂きました。
塩も何もつけてない、握りたてのおにぎりです。

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一粒のお米につながる、たくさんの生き物たち。
田んぼのカエルにお願いです。

「苗うえたからね。たのむねまもってね」

投稿者:板谷由夏

2009年05月06日

LIFE~坂本龍一×板谷由夏 第2弾~

北海道札幌市。
ライブ直前のホールに坂本龍一さんの姿がありました。

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坂本さんの全国ツアーは、
チケット代の一部を『森づくりの活動』に当てているそうです。

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板谷:坂本龍一さんの世界に浸りにいきたいと思います。楽しみです。

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そして、坂本さんの札幌公演を堪能しました。

ライブ会場の札幌から北へ3時間半。
坂本さんが『新しく森づくり』を始める場所があるといいます。
私も同じバスで同行させてもらいました。

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北海道下川町
まだ雪が残るこの町で、『森づくり』が始まるのです。

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人工的に植えられた「アカエゾマツ」と「トドマツ」が広がる森へ。
しかし、よく見ると木々が悲鳴をあげていました。

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坂本:森の中の方を見ると細い木とか枯れている木も多いでしょ。
    共倒れみたいになってるんですよね。
    木がお互いに近すぎるので、お互いに日光が
    十分に行き渡らなくて、枯れてるのや細いのになってるんで。
    日が差さないから生育が悪いと。


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板谷:森って自然のモノだから自分たちで勝手に大きくなっていくものだと
    思ってしまいがちですけど、これは人工林だから?

坂本:そうですね、一度、人が手をかけた所は、
    ちゃんと最後まで手をかけ続けてあげないとこうなってしまう。


「森に手をかける」。
どういう意味なのでしょうか?

日本の森林は、46%が人が木を植えた『人工林』です。

その人工林は、まっすぐな木を育てるために密集して植えられます。

そのまま成長すると日光が行き渡らなくなり、“共倒れする”などうまく育ちません。
そこで、余分な木を切って間引く『間伐』という作業が必要になるのです。

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「間伐した森」と「間伐していない森」を、見比べてみました。

坂本:ここね、こっちの森が結構、日が差して明るいでしょ。

板谷:そうですね、お日さま差していますね。


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坂本:で(逆を)こう見ると暗いでしょ?
板谷:こっちは日陰ですね
坂本:ここは間伐してない、手をかけてない、もう何十年も。

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日光が差し込まず暗い森…。
木が枯れているのは、間伐をしていないからでした。

坂本:日光の差し込み方が、こんなに違うわけです。
板谷:ホントだ~。日の入り方が全然ちがう
坂本:今回の活動で、最初に手をつけるのがここだそうです。
板谷:ここから。なるほど。
坂本:1年目ここからやるそうです。
板谷:まず間伐から
坂本:それで、もし3年後とかに来てみると、日光の通りやすい森に変わっているはず。

坂本さんは、
間伐していない森を間伐することで、再生させようとしていました。

間伐した森は、木々が太く成長し、二酸化炭素をたくさん吸収する森に生まれ変るそうです。

先月、坂本さんが代表を務める団体・モアトゥリーズは、
下川町など、北海道の4つの町に間伐費用をサポートすることしました。

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その仕組みはこうです。

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坂本さん側は、間伐など森の再生費用を提供します。
町は、その結果、増えた「二酸化炭素の吸収分」を、「排出権」として坂本さん側に渡します。
坂本さん側は、その排出権を一般の人々に販売することで、次の「森づくりの資金」にあてるのです。

そして、もう一つ『森づくり』大切な作業、『枝打ち』を教えてもらいました。
枝打ちは、「間伐で残した木」の「余分な枝」を切り落とす作業のこと。
これも日光を行き渡らせるには、大事な作業なんです。

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『森づくり』だけでなく、最近、坂本さんは、どんなことを考えているのでしょうか?

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板谷:私が大好きなヒバリという曲もそうですけど人間の根本的な…
坂本:うんうん。
板谷:いきたいけどいくのも怖いようなところに、いっているような気がしたんですよ。
坂本:いっちゃってましたか?

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板谷:なんかね、例えば死とかね
坂本:死のことはよく考えますね。
    ショックだったのが、夏目漱石って49歳で亡くなっている。
    僕、今もう57歳なんですよ。
    で、その漱石と自分を比べる訳じゃないんですけど、
    あんな偉大な人が49歳で亡くなっているっていう。
    (自分は)もうとっくに過ぎているということに愕然として、
    だから僕も人生50年と思って、今は余った分を
毎日いただいているというか、
    プレゼントされているような、そういう気分はありますよ。
    だから大事にしたいと。

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「今ある日々を大事にしたい」と語る坂本さん。
環境問題に取り組む背景には、子供達への思いがありました。

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坂本:あのさ、子供が出来ると、とたんに自分の視野が
    20年30年ド~ンと伸びないですか?

板谷:延びましたね
坂本:子供ができる前は、せいぜい明日のこととか来年とか。
板谷:そうですね
坂本:僕なんかね、明日のことも考えないで
朝まで飲んだりしてたんですからね。
    でも急に20年とか
    産まれたばかりのこの子が二十歳になった時に、
    このままいったらどうなってるんだろうって

板谷:そうなんですよ。そういうことばっかり考えま
坂本:ですよね。それ自然だと思うんです。
    親のエゴでもあるんだけど、それはとても自然なエゴだし、
    それがいろんなこと考えるあるいは行動する
    大きなキッカケになると思いますね。

板谷:やれることをやろうと漠然と思ってたんだけど
    「いや、思うだけじゃダメだ」って、すごく身近になった。
    具体的に「なにかをしなきゃ」ってなりましたね。

坂本:実際に子供たちが口にする、口に入れる物とか飲む物、
   それから空気、着ている物とか、全部、環境ですからね

板谷:そうなんですよね
坂本:僕らの細胞の一つ一つになっていくわけですから
    それがずっと循環しているから、
    環境問題というのはどこか遠い所にある問題ではなくて、
    自分の体の一部の問題なんですよね
    だから今からやんないとダメですよ、色んなことを。

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投稿者:板谷由夏